神様、どうかお願い。







HAPPY LOVE 前編







「琴!誕生日おめでとー!」
「わーっ ありがとーっ!!」


今日はあたしの十四回目の誕生日。
友達からのプレゼントもすっごく嬉しいんだけど、
たった一人、この誕生日を祝って欲しい人がいる。




「だからさー、諦めなって!」
「そーそー。相手が悪いわよ、相手が。琴音なんて絶ーっ対に無・理!」

呆れたようにあたしを見るのは二人の友人。

「何でそう言い切れるのよ!わかんないでしょー?!」
「だってさー、相手はあの元川でしょ?」
「二年どころか学校中で大人気じゃん。ホラ、その時点でもう駄目だね」

「うー・・・。」



そう、十四回目の誕生日を祝って欲しい人とはあたしの好きな人、元川一稀くん。さっき二人の友人が言っていた通り、すごく人気がある。顔良し、頭良し、運動神経良し、更にはすごく優しいという完璧な人。その元川くんにあたしは無謀だと分かりつつ恋をしていた。



「今日は絶対に言う!」
「・・・琴音?誕生日に失恋なんて悲しくなるだけだからやめな?」
「そーだよー。言って泣くのは目に見えてんだから」
「・・・・無理。だってもう呼び出しちゃったし」
「「マジで?!」」



二人ともが声を合わせて言う。



「もー知らない。泣きついてきてもあたしはもう知らないわよ」
「・・・・で?何時?」
「昼休み」



「「・・・ガンバレ」」



とりあえず言っておこう、みたいな感じで二人は言い残して去っていった。

「ヒドイ友達・・・」

少しムーっとしながら二人の後ろ姿を見る。
今は3限目の休み時間。昼休みまであと少し。







今更になって、どう言おうか悩むあたしだった。










*  *  *











― 昼休み


「白谷琴音!行ってきます!!」
「「いってらっしゃーい。」」

気合の入ったあたしと“もー勝手にしろ。”って感じの二人の友人。
その二人に手を振って裏庭に向かっていった。






「ホント、泣き見なきゃ良いけどね・・・」

そう1人の友人が呟いたのも知らずに。






昼休みの裏庭。滅多に人が来ないその場所は、告白する場所にピッタリ。あたしがひょこっと覗いてみるとそこには既に想い人、元川くんが立っている。




「ふぅ・・・よし、大丈夫!」




深呼吸を三回ほどして、あたしは元川くんのところへ行った。

「この手紙・・・白谷さん・・だよね?」




元川くんの手にはあたしが元川くん宛に書いた手紙。




「はっはい!」
「えっと・・・話って何かな?」






あたしに向けてすごく綺麗な笑顔を見せる彼。



そう、あたしはこの笑顔が好きになったんだ。













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