LOVE 3rd



なんだろうなぁ・・・この気持ち。私は愁斗が帰ってからずっと考えていた。


愁斗が来てくれて凄く嬉しかった。

愁斗といると、ドキドキした。





― もしかして・・・これが恋というものなんだろうか。

何で風華の気持ちは分かったのに自分のはわかんないんだろう。分からない。




そんなことを考えていると、母が部屋に入ってきた。

「優香?夕飯、どうする?」
「んー・・・?軽く食べる。」
「軽く?じゃ、御粥作ろうか?」
「うんー。」


そう言うと母は部屋から出た。何だ・・・夕飯どうするか聞きに来ただけ?

「・・・・・・・・・・・」

母が御粥を持ってくるまでずっと黙っていた。

何も考えてないでいた。愁斗のことを考えると、胸がドキドキして張り裂けそうだったから・・・。



私はその夜は夕飯を食べてシャワーを浴び、すぐ寝た。




明日には学校・・・行けるかな・・・?










*  *  *











― 朝


私はまだ少しだるかった。熱をはかってみればまだ37度5分。


「まだ少しゆっくりしてたほうが良いわね。」

母にそう言われ、黙って布団に潜り込んだ。










*  *  *











―学校


「今日も優香休みかな・・・?」
「いないってコトは休みじゃねーの?」

そんな会話を愁斗の横でしていたのは風華と優希。

「大丈夫かなー?昨日は愁斗行ってくれたけど今日は私達行ってみる?」
「そうだな。やっぱり心配だし」
「愁斗も来る?」
「・・・あ?俺は昨日行ったんだから別に行く必要はないだろ。」
「・・・って言うか愁斗。あんたは、強制的に行かせるから」



怪しい微笑みを浮かべながら言ったのは風華だった。優希の方を見ると、いかにも、”にーっこり”という効果音でも付くんじゃないかと思うぐらいの笑みを浮かべていた。




愁斗は仕方なく承諾するしかなかったようだ。


「分かった。分かったよ。行くよ」
「よし!」

じゃ、放課後こっちの教室の愁斗の机に集合ね!と言って風華は自分の席に戻って行った。


「・・・はあ・・・相変わらずだな、風華」
「ま、それがあいつの良いとこだよ。それより、愁斗。お前さ・・・」
「何?」


急に何か言うと思えば優希は真剣な顔をして愁斗の顔を見ていた。


「・・・何だよ?」
「お前さ、優香のことどう思ってる訳?」
「は?何イキナリ。」
「だから、優香のことを“恋愛の対象として見てるのか”って聞いてるんだよ。」


愁斗は一瞬考えた。別に優香のことは嫌いではない。


― だが、別に恋愛の対象としては見ていなかった。


「・・・別に。」
「別に。ってなんだよ。ちゃんと答えろよ?」
「別にっつったら別にで良いだろ?」
「良くない。っていうかその返事変。」
「・・・放っとけ。」
「・・・分かったよ。・・・・・・・後悔してもしらねーからな。」
「・・・」




そして、チャイムが鳴り、授業が始まった。

愁斗は授業中、話を聞きながらも考えていた。
さっき優希が言ったあの言葉、そして、優香のことを。










*  *  *











「ふー・・・」

私はまだ熱が下がっていなかった。

「うー・・・。」
「大丈夫なの、優香?」
「母さん・・・」

母が声を掛けて来たのでとりあえず返事をした。

「風華ちゃんと優希くんと愁斗くんが来てくれたわよ」

「え?」
「やほーっ!大丈夫ー?」
「大丈夫か?」

そうやって風華と優希が声を掛けてくれる中、愁斗は何も言わなかった。

「愁斗もなんか声掛けなさいよ!」
「良いのよ、風華。愁斗は昨日来てくれたんだから。」

そう風華に言い、微笑むと少しむくれながらだが風華は納得したようだった。

「藤川も来てくれたんだ。ありがと。」
「あぁ。さすがにお前が2日休むのは珍しいからな。」

少し笑いながら藤川は私にそう言ってきた。

「熱はまだあるの?」
「ん?昨日よりはマシになったけどまだあるかな。」

風華が心配してくれたので私はそう返す。

「そっか、それならよかった〜」
「心配してくれてありがと」
「そう言えば、今何所まで進んでる?勉強。」
「あ、それなら安心して!私がちゃんとノート取ってるから!」
「ホント?!ありがとー風華。」
「いえいえー分からないとこあったら言って。教えるからさ。」



そう言って、私達は他愛の無い会話をしていた。そして、一時間ほどすると三人は帰って行った。















・・・本当にこの気持ちはなんなんだろう。

愁斗は相変わらずそっけなかったけど、何か凄く嬉しい気持ちになった。




・・・好き・・なのかなぁ・・・そう想ってしまっている自分が居たんだ。