LOVE 4th



好き・・・


さっきから私はずっと「好き」という言葉を頭の中でめぐらせていた。確かに好き。愁斗のことは好きなんだけど。なんだろう。このモヤモヤした気持ち。



考えていると、いつも同じ答えにたどり着く。何度も、何度も。




・・・私は愁斗のことが好きだけど愁斗の気持ちを知るのが恐いんだ、ということ。もし、自分から告白しても愁斗の返事を聞くのが恐いんだ、ということ。





そんなことを考えているたびにまた、同じ気持ちになるのだ。





・・・私いつのまに愁斗のことこんなに好きになったんだろう・・・?










*  *  *











「愁斗、何か今日不機嫌だったね。」


優香宅から帰る時に風華がいきなりそんなことを言ってきた。


「は?なんでだよ。」
「だってさー、なんか顔がムスッとしてるもん。ね?優希。」
「・・・今日俺が聞いたこと気にしてんの?」


風華に問い掛けられて優希は何を思ったか今日、学校で聞いてきたことについて言ってきた。


「・・・・ま、な」
「素直だねえ」
「はぁ?」
「だって愁斗はいつもこんなに素直じゃないもーん」

そう風華は笑いながら言うと、こっちを見てきた。

「優希が聞いたことってさ、『優香のことをどう思ってるか』じゃない?」

また笑いながら聞くと、言葉を続ける風華。


「私もさー、聞こうと思ってたんだけど。優希に先越されちゃった?」


笑いながら風華はまた愁斗のほうを見た。


「・・・・・何でだ?」
「「え?」」

やはり幼馴染み、声をそろえて愁斗のほうを振り向く。


「何で・・・そんなことを聞くんだ?」
「・・・。愁斗と優香のことが心配なんだよ。ね、優希。」

そう寂しそうな顔で風華は言うと優希に同意を求めた。

「ああ」

優希はそう一言だけ言うとにこ、と愁斗に笑いかけてきた。

「「頑張れ、愁斗」」

そう二人で声をそろえて言うと二人は自宅に戻って行った。


「なんなんだよ・・・」




そう愁斗は言うと自分も自宅に戻って行った。










*  *  *











俺がアイツを好き?
今までそんなこと考えたことも無かった。
だけど、今ならちゃんと言えるかもしれない。
優香のことが”好きだ”と。











私が愁斗のことを好きなんて。
今初めて気づいた。
私は愁斗のことを好きだけど、愁斗の気持ちを聞くのが恐いんだ。

でも、愁斗への気持ちは言える。

“すき ”










*  *  *










「あーあ・・・」
「どうしたの?優香。」

母さんが聞いてきたので相談してみようかなそう思っていってみた。

「ねえ母さん」
「んー?」



母は私の額に乗せていたタオルをまた濡らし直し、私の額にまた乗せる。




「母さんがもし見込みの無い人を好きになったら、告白する勇気って出る?」
「何急に。好きな人でも出来たの?」


そうビックリした様子で母は聞いてきた。


「・・・うんmまぁ。だけどもしすきな人にに告白して悪い返事だったらどうしよう・・・って思っちゃって」


「そう・・・でもね、そういうときって相手もそういうこと考えているものよ」
「え?相手も?」
「自分も相手の返事が気になって、相手も自分の返事を気にしてるって事。」
「どうして?」
「そういうときこそ気持ちは伝わってるっていうもんよ」






にこり。と母は私に向けて笑うとこう言って来た。






“自分に自信を持って頑張りなさい”










ありがとう母さん。
告白する勇気が出たよ。
明日にでも愁斗に言おう。

大好きだっていう私の気持ちを。