馴染み No.4




私は宿題をしながら考えていた。



―私は本当に優希のことを好きなの・・・?




このことを考えると涙が溢れてきそうだった。昨日を思い出しそうで。


「風華ー」

一階から母・未亜の声が聞こえてくる。



「何ー?」
「優希くんが来てるわよー」
「・・・へ」
「早く降りてきなさい!」
「優希ー?」
「あー?」
「私の部屋に上がってきて」
「はぁ?お前が降りてこいよ」


私達は何事も無くいつも通りに話しているようだった。だが、私の目には涙が出てきていて。


「部屋で話したいことがあるの!早く来い!」
「ったく・・・」
「ごめんね。優希くん。」



未亜は、苦笑しながらそう言った。



「別に良いですよ。それじゃ。」
「ええ、ゆっくりしていってね」




― コンコン



「どうぞっ」
「風華・・・?何だよ。話したいことって」
「・・・。…それよりさ。優希は何しに来たの?」


優希は話そうとしない私に少し怪訝そうな顔をして一息ついてから口を開く。


「・・・その、昨日のことで話があって」
「私もそのことで話があるの。先に優希話してよ。」
「ああ」




優希は問い掛けてきた。


昨日何故泣いたのか?
自分が傷つけたのか?



「・・・・・・・・・・・それは・・・ね」

私は少し躊躇いながらも、優香に言われたことを言ってみた。

「優香にね、昨日のことを話したの。そしたら・・・、優希に言われたことで泣いたのは・・・・・・・」





私は肝心なことを言う前に少し間を空けた。

直ぐには言えなかった。自分の涙腺が弱くなるのを恐れていたから。





「・・・・?」



「優希のことが好きだからって・・・・。恋愛の対象として・・・・。」



「・・・・・・・!」
「『大事な幼馴染みっていうだけなら、「距離を置いた方が良い」って言われて、悲しくなんてならないと思うのよ?』って」
「・・・ふーん・・・」



そう言うと優希は下を向いた。私は、優希に問い掛けた。




「優希は?」
「・・・俺?」
「私のこと、どう思ってるの?」




俯きながら私は涙が溢れそうになっている目を抑えた。





「・・・・俺は今まで風華のことは『ただの幼馴染み』としか思ってなかった」



「・・・・・」













「だけど、昨日のことで気付いたんだ。

 俺は、




   風華のことが好きだ。」












私はそう言われた瞬間、涙がどっと溢れてきた。


優希は微笑むと同時に問い掛けてきた。



「風華は?」


「私も、優希のこと好きだって優香に言われて・・・初めて気付いたの・・・っいつもいつも優希が隣りにいることが当たり前になってて・・全然気付かなかったんだ・・・っ」




私は涙で少し言葉が詰まりながらも優希に想いを告げる。
その直後、優希は私を優しく抱きしめてくれた。


「優・・・希・・・・?」
「もっと・・早くに気付けば良かったのにな、お互い。」
優希は少し笑いながら私の涙を指で拭う。






「好きだよ、風華。」
「うん・・」




「幼馴染みとしてじゃなく・・恋人として・・これからも隣にいてくれるか?」





「・・・・・うん・・・・・・もちろん。」















幼馴染みという絆から恋人という絆に変わった瞬間。
















. . . F i n . . .






書き直してもまた見直すと少しうろたえるもんですね。笑
もう編集中大変でした。
「うわ!変!変!!」って感じでした。
悲しいかな処女作。