振り放った手を追いかけることも出来ないまま
私はその感情を投げ捨てた
どうせ叶うこともないなら 今更願ったりしない
本当は 本当に そんなことなど ないのに

「辛い」と口にするたび何かが壊れていく気すらして
全部自分の中に押し込めて 全部自分の中から消した

口にしたかった言葉は、ずっと胸に仕舞い込んでいたもの
振り放った手を追いかけることが出来たなら
私はまた変われたかもしれないのに
私はそのチャンスすら逃がして 追いかけずに どこかへ捨ててた

本当は 本当に 出来ることなら抱きしめたかった
醜い感情も 拙い感情も 綺麗な感情だって
全てひっくるめて「私」だと 抱きしめたかった
それが出来なかったのも きっと 「私」。

ハイド アンド シーク
真っ暗闇の森の中でのかくれんぼ
「私」と「私」との。


( 061231 )