ひたすらに想っていたわけじゃなかった。別に、あなたじゃないといけないわけじゃなかった。・・・けれど。 今はただ、あなたをひたすらに想っていて。 ただ、ただ。あなたじゃなければ嫌だと心が泣く。 どうして、だろう。別に、本当に。そんな覚悟は出来ていたのに。自分の無力さを棚に上げて、あの人でなければ駄目だと想う。あの人を手に入れたいと、想う。間違った、歪んだ想い。心の何処かできっとずっと在ったんだろう。けれど心の何処かで、否定していたんだ。 ―「愛してる」んじゃない、「すき」なんだ。 純粋な想いだとか、そういうことを言うんじゃない。違う。あなたをただひたすらに、想う。愛してるのではなく、すきだと嘆く。この涙はあなたを想った涙ではない。 ・・・言い聞かせているだけだけれど。 「・・・キレイ」 ふと目を下ろすと、ツツジの花が雨に濡れていた。―それは、まるで、泣くかのように。静かに、静かに、泣いているかのように。でもそれは美しく、少しだけ暗くなって灯った街頭の光で、キラキラと輝いていた。 泣いていても、輝ける。 そんなツツジとは、私は違う。 泣けば泣くだけ醜くなっていく。泣けば泣くだけ、苦しくなる。 愛して欲しいのは「誰か」じゃなくて、 誰よりもだいすきな「あなた」だけなのに。 「愛してと泣いたら、あなたは愛してくれるかしら?」 ―そんなこと、想うことが無駄に等しいとわかっている。 --- 失恋ではなく、別の呼び方で。愛しているじゃなく、ただ「すき」と。そんな想いを込めたストーリー。私情入っててごめんなさい。笑)日記で書いたもの。 |