君がいない

何日経ったかは、知らない。
愛する君を失ったことだけは、わかる。

天気のいい日。
やることもなくて散歩をしていると、思い出の場所。
ねえ、二人でよく来たよね。
無口な君だから、私ばっかり喋ってて。
それでも凄く幸せだった。たまに微笑む君の笑顔が、すきだった。

ふと、店のオーナーさんと目があって、にっこり笑われた。
外から手を振って、軽く会釈をする。またこの店にくることもあるだろうか。
来れるといいな、今度は君とじゃなくて、新しい誰かと。


「・・・元気、かな」


彼だけは、と思っていたのに。
それでも終わった恋は戻らなくて。
幸せだけ逃げていく。いっそのこと、全て奪っていってくれたらよかったのに。

“もう戻れない”って、思っても。

戻らないものは戻らない。
悔やんでも仕方ない。






でも、ね。
「まだ、すきだよ」

すきだよ。






思い出の店にも、海にも、あの頃の二人はいない。
幸せも、後悔さえも、全てにサヨナラをして。





君がいない
あの頃の二人も 今はいない
何もかも 時間のすれ違いと
感じた その時 切なく good-bye








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晴れた空。遠い日々。キラキラと輝く海。君がいなくても、私は生きてる。