馴染み No.2



「・・・・・・」


先程のことを部屋に戻りながら考えていた。いつのまにか涙は止まっていた。呆けたまま階段を上がりながら、部屋に入ってベッドに倒れた。



考えているとイライラしてきたので考えるのをやめて起き上がり、机に向かう。


「・・・とりあえず宿題するか・・・。」

せめて気持ちを紛らわす為に私は宿題に取り掛かった。時々、先程あったことを思い出しながら―。




トゥルルルル・・・





電話の呼び出し音。私は気が進まなかったが母が出かけてていなかった為、仕方なく部屋にあった子機を取った。




「はい、もしもし」

誰かは大体分かっていた。きっと親友の優香だろう。優香とは、小1からの親友だ。

『あ、もしもし?風華?』




電話から聞こえる声はやはり親友・相川優香の声。




「ん。どうかしたの?」
『いや・・・、なんか今日さ、藤川から電話あって愚痴聞かされてさ。
 その中に風華のこともあったから何かあったのかなー?と思って。』
「え・・・?」
『・・・やっぱ何かあったでしょ。』
「う゛・・・。」


ふぅ・・・、と優香は溜息をつき、言葉を続けた。



『何かあったんでしょ?ホラ、この私に言ってみなさい。』
「うーん・・・・あったことはあったんだけど・・・」
『・・・・言いたくないなら言いたくないでそれで良いわ。
 だけど・・・さ、いつかは・・・、ちゃんと言ってくれないと私も困るからさ?』
「・・・・・・」
『風華?』





何も答えない私に気付いたのか、優香は私の名前を呼んだ。



「あ、ごめん。・・・うん。いつかはちゃんと話すよ。・・・優香、今から会うのは無理でしょ?電話じゃなくって、ちゃんと会って話したいから・・・それに学校でも話しにくいしね。」
『・・・そっか。まぁ、今からは無理だけどさ・・・。明後日あいてる?明後日なら私もいけるし』
「明後日?ああ・・・、明後日ならOK。ごめんね。」
『何言ってんの。何年の付き合ってると思ってるの?
 私も聞いてもらったことあるんだから良いって。』
「ん。ありがと。じゃ、またね。」
『うん。じゃあね。』

私は優香からの電話をきり、机に向きなおした。そして、まだ途中だった宿題の続きに取り掛かった。






・・・明日、どうしよう・・・。



まだ、優希とのわだかまりは解けていないし、少し不安が残る。



…でも。



考えたって無駄だし・・・今日はこのこと考えるのやめよう。



そう思い、夕飯を食べ、風呂に入り、すぐに寝た。








明日は・・・、どうなるんだろう・・・・。